飼育小屋にたどり着くまで2時間かかりました

今日は、午後から急に吹雪になり20cm近く吹きだまりました。20時から除雪をはじめて、小屋の除雪が終わったのは22時10分頃になりました。それから、餌替えをしたら23時になってしまいました。今日は少し湿った重い雪でしたので、今日は肩や腕が痛くなりました。写真は22時10分の除雪が終わった時の写真なので、吹きだまりになっていたことは伝わりませんが結構吹きだまりになっていました。

飼育小屋は、冬は結構大変です。雪が特に右側の扉の隙間から吹きこんでくるのでプラダンで塞いでいます。屋根の雪は、シーズン中2回くらい雪を下ろしをします。屋根に雪が積もりすぎると雪の重さで小屋に歪みができ、扉がしままらなくなるのです。

トガリネズミの飲み水は毎回、家から運んで来ますし、水入れの水は凍っているので、毎回ストーブで溶かしてから新鮮な水に入れ替えています。餌の生きたコオロギは、家から小屋まで1分もかからないにも関わらず、仮死状態になっています。トウキョウトガリネズミとオオアシトガリネズミは、仮死状態になっているコオロギをまず食べてしまいます。こんな簡単な捕食もないでしょう。

除雪車は0時から入ります。また5時間後には家の前の除雪をしなければなりません。今日はもう寝ることにします。と思ったら、10分前から除雪車が除雪を始めました。いつもより早く始めるということは、それなりに結構積もった証なのでしょう。

 

 

 

雪の中

昨日は、久しぶりに結構な降雪がありました。今朝は除雪が入り、それなりに雪かきをしましたが、岩見沢などに比べれば申し訳ないほどのレベルです。

雪の中でどんな行動をしているかは、映像のような状態を観察して推察するほかありません。映像のように雪の中に穴を掘ってトンネルを作ったりしているので、このような雪の中でも野生のトウキョウトガリネズミは、活発に活動しているのでしょう。それにしても、冬季に捕獲してみたいものです。

季節はずれの換毛 2

今(24日)は、朝3時過ぎからいきなり雪が降り積もり、2時間ほどで15cm強の積雪になりました。朝3時に何となく目が覚めましたので、外を確認してほとんど積もっていないことを確認して寝ましたので、油断してしまいました。朝の雪かきの時間がほとんど無く、出勤前に大変な目にあってしまいました。9時頃まで吹雪で、交通機関も1日中乱れ、夜も雪かきと大変な1日でした。でも、もっと沢山積もったところもありますので、それに比べれば大したことなかったのですが・・。

飼育小屋の入り口は吹きだまりになっており、小屋の中にも雪が吹き込んでいました。そんな中、トウキョウトガリネズミは相変わらず元気ですが、換毛は少しずつ進んで来ています。体重は、2.1gをキープしています。ただ今日は、出てくるのが遅かったので死んでしまったのかと心配しましたが、どうも休んで(寝て?)いたようで、出てきた時の動きがすごく緩慢でした。気温はー3℃程度なのでそんなに寒くはないのですが、夜の雪かきをしたあとに餌替えに行ったのでいつもより1時間半遅かったからでしょうか?これを書いているうちに日付けが変わってしまいました。雪の影響が大きかった1日でした。

箱罠にかかったエゾヤチネズミ

昨日はオオアシトガリネズミでしたが、今日は同じ罠にエゾヤチネズミがかかった映像です。

嶮暮帰島では、トウキョウトガリネズミとオオアシトガリネズミとエゾヤチネズミが同じ場所に生息していて、エゾヤチネズミが一番個体数が多いです。この箱罠はトガリネズミ用なので、エゾヤチネズミには小さい感じですが、エゾヤチネズミは結構気に入っているようです。箱罠から出しても、同じ罠に多分同じ個体が何度も入ってきます。そして、箱罠内で糞尿を頻繁にします。その割には、体はほとんど汚れていませんが、エゾヤチネズミが入ると箱罠内が糞尿で汚れますので、その都度周辺の草の葉で拭いてきれいにします。一晩で大体5回巡回しますが、同じ箱罠に3~4回入ることもあります。その都度掃除することになりますので、墜落函より設置は楽ですが、回収時のメンテナンスは手間がかかる罠になります。

この映像は、30秒になっていますが、実は、罠から出て行くまで本人に任せて様子をみていたら10分間かかっています。いきなりライトを当てられてびっくりして固まっているのかもしれませんが、自分からはなかなか出てくれないことが多いです。頻繁にかかっている時は、強制的に出て行ってもらっています。

箱罠にかかったオオアシトガリネズミ

いつもは、墜落函という落とし罠を使っていますが、シャーマントラップという箱罠も最近は時々使用します。一般に販売されているシャーマントラップでは、トガリネズミ類の体重では軽すぎて、中に入ってもトリガーが落ちないことが多く、結果的にあまり捕獲できないのが現状です。

映像の箱罠は、北海道大学の大舘さんがロシアのトガリネズミの研究者が使用していた箱罠をコピーしたものをお借りして、調査したときの映像です。この箱罠は、体重が軽いトガリネズミでもトリガーが落ちる仕組みになっています。今日は、墜落函で捕獲されたオオアシトガリネズミと異なるオオアシトガリネズミの表情をみてください。

アルビノのトガリネズミ(エゾトガリネズミ)と恥ずかしい思い出

以前、パンダもどきのように白化したオオアシトガリネズミについて書きました。白化については、白い度合いは色々がありますが、それほど珍しい訳では無いですが、アルビノはとても珍しいと書きました。

下記は、アルビノのエゾトガリネズミの写真です。目まで真っ白です。北海道厚岸郡浜中町の酪農家である菅井さんから、提供していただいた個体です。自宅のネコが咥えて持ってきた個体がまだ生きていたので、当時浜中町にいた私に届けてくれました。最初は血だらけで、すぐに死ぬかと思ったのですが、結構長生きしてくれました。しかし、この個体には恥ずかしい思い出があります。

私はアルビノで死にかかっていた個体を生かすことで頭がいっぱいだったのか、一目でオオアシトガリネズミと思い込んでしまい、死亡後もそれを疑いもしませんでした。死亡時に体の各部の計測をしていたのですが、オオアシトガリネズミの計測値としてもおかしさを感じなかったので、そのままオオアシトガリネズミと思い込んだままでした。とは言え、珍しいので北海道大学に標本として寄贈することにしました。とても珍しい例なので北海道大学の大舘さんと共著で論文にする際に、大舘さんが少し小さいのでは無いかということで、上顎の歯列で確認したところエゾトガリネズミということが判りました。ということで無事エゾトガリネズミのアルビノ例として論文化されました。

このような希少な例は特にですが、基本に則って同定すべきなのを、直感的に思い込んだままにして、すべての部位での確認をせず放置して、間違ってしまったという恥ずかしい事例です。私の中では、いつもこれを見て「基本に忠実に」と反省させられる、忘れられない貴重な出来事になりました。

 

オオアシトガリネズミとミミズ

先日、「トウキョウトガリネズミのメニューにミミズは無い」というブログを書きましたが、オオアシトガリネズミはミミズが大好きです。とは言え、ミミズの大きさによっては、捕まえるのも大変です。ミミズは食べられないように暴れます。暴れているミミズを押さえ込むのは大変です。

この映像は、暴れているミミズを押さえ込むために草の中に引き釣りこんで、暴れないようにしてから、止めを刺すという一連の行動です。今回は飼育ケースの中で、下がプラッスチックだったため、足が滑って踏ん張りが利かなかったこともありますが、大きいミミズでしたので、少々手こずったシーンです。しかし、確実に後部を狙って、後ろ側から引き釣り込むという作戦は当初からの予定だったようで、攻め方に全く迷いがありません。小さなミミズであれば、その場で前足で押さえ込んで食べてしまうこともあります。

季節はずれの換毛2

季節はずれの換毛に気がつき、写真を撮り始めて1週間が経ちました。なかなか同じような角度や位置での写真が撮れないことや、体の伸び具合で、意外と換毛の進み具合の印象が変わります。

換毛し始めている範囲は、そんな大きく増えているようには見えませんが、明らかに、お尻の体毛に段差ができているのがわかります。そして、尾の付け根周辺の体毛が、頭部周辺の体毛の質感と大きく変化しているのが判ります。この後は、頭部に向けて換毛が進んでいき、最終的に顔に到達して終了する予定ですが、季節はずれの換毛ですので、既知の通りに進むか?

また1週間後に進捗状況をお伝えしたいと思います。

トウキョウトガリネズミは、本当はこんなところに隠れているはず!?

トウキョウトガリネズミがどこにいるか、どのように見えるのかについてのポイントが解っていただけたと思います。

そこで、野外における飼育下でトウキョウトガリネズミの行動を見ていると、暑いという状況もあるのか、写真のようなところに隠れます。これなら、鳥などに見つかる可能性はとても低く、地面は砂ですので、風がふけばこの場所の方が暑さをさけるのに最適だと思われます。

しかし、このような状況を本当の野生下では見たことがまだありません。このような状態は少なくとも砂地では、当たり前のように思えます。自然な行動を見る事ができるのにはまだ時間がかかりそうです。

私はどこにいるでしょうか?追加問題回答

トウキョウトガリネズミの居場所は、すぐにわかりましたでしょうか?動物を見つける能力を高い人には色々なタイプに方がいるとは思いますが、今回のような場面では、トウキョウトガリネズミはどんな形と色をしていて、どこにいる可能性が高いかという知識を持っている人が有利です。しかし、それが外れた場合、一端思い込むと見えているのに見ていないという現象も起きます。

大切なことは、まず知識を元に探し、見つからなかったらその知識に囚われず発想の転換が如何にできるかにかかっています。しかし、知識があるからこそ、見えてくる場合もあります。重要なのは、持っている知識を如何に柔軟に活用できるかにかかっていると思います。