10月の捕獲調査で、一応今シーズンの捕獲調査は終了です。長年研究をしてきたのですが、これまで繁殖生態(特に出産を確認できない)を明らかにすることができませんでした。このままではダメだと思い、今年はこれまで解明できない大きな要因と考えられる捕獲調査回数を増やすことと、飼育環境をより自然状態に近づけることを目標に4月~10月末まで捕獲調査と飼育環境の整備を行ってきました。
今年は、7回捕獲調査を行いました。過去最高の調査回数でしたが(年1~2回が普通で、過去最高は年5回)、トウキョウトガリネズミが1頭も捕獲できなかった調査が3回、内2回は他のトガリネズミも捕獲できませんでした。今回は、複数の調査地(これまでの実績からは毎回捕獲できる場所でしたが・・・)で行ったこともありますが、こんなに捕獲できなかった年は初めてでした。
また、これまでは書斎及びベランダで飼育していたのですが、色々な支障が生じ、また飼育観察方法に限界を感じていたので、小さな飼育小屋を庭に建てました。小屋は、建設会社に依頼しました。ただ、窓はありますが、外壁は合板を打ち付けてだけで、もちろん断熱材も内壁も無しです。室内の棚などは自分で作りました。冬季はほぼ外気と同じくらいになる予定です。
努力した割には色々な障害との戦いで、成果があまりなかったのですが、しかし、今回初めてということもありましたので、これから紹介していきたいと思います。