オオアシトガリネズミの行動 飼育下 1

今日は、オオアシトガリネズミの行動です。飼育小屋を作る前に2階のベランダでオオアシトガリネズミを飼育していた時の映像です。衣装ケースを3つつないで通常より広い環境で飼育しています。撮影場所には、餌と水が置いてあり、運動用に木が立ててあります。他の2つはチップと草が10cm程度の高さで入れてあります。この場所には、カメラが3台設置してあり、3つのケース間移動状況を記録していたときのものです。

この映像は、餌替えと共に自動撮影装置の交換した1時間後の映像です。この飼育ケースに写して1週間以上経過していますので、この構造には馴れています。行動が活発な時間帯でもありますので、水を飲み、設置した枝にも登り、飛び降りたりして、とても活発に行動しているのが判ります。広い空間で飼育していると本来はとても活発に行動している動物であることが判ります。

 

季節はずれの換毛の結末

 

今日は、季節外れの換毛の結果報告です。

2月の3週目から始まった季節外れの換毛ですが、約3週間後に死亡してしまいましたので、上記の写真の状態が最後になりました。換毛は胴の1/3位のところでまでしか進みませんでした。過去の観察事例では、3週間もすると首近くまで換毛していることがほとんどでしたので、とても換毛スピードが遅い例です。そもそも、この時期に換毛すること自体初めてですので、多分体調の異常だったような気がします。

この個体は、8月30日の4:00に捕獲された個体で、捕獲時1.6g、最高体重2.4g、死亡時1.86gで、大体1.8~1.9gを維持していました。捕獲時期から、越冬個体の可能性が高いと考えていましたが、捕獲時の体重が軽いこともあり、早めに親離れした当産個体もあるかもしれないと淡い期待をしながら、飼育していました。

しかし、通常なら10月下旬から1ヶ月ほどで換毛が行われるのですが。全くそのような状況が見えませんでしたので、不思議に思っていました。2月の下旬から換毛を始めるということがとても異常だと思いましたが、飼育小屋の飼育状況が何らかの影響を与えているのかもと考えましたが、よくわかりません。

死亡する3日前から、餌替えに行っても、なかなか出てこないようになってきていましたので、変だと思っていました。実は、寿命だったのかもしれません。初めての事例でしたので、今年の秋に、換毛についてもう一度注意深く観察してみたいと考えています。

いずれにしても、死亡してしまったのが残念です。

トウキョウトガリネズミの夜の活動(飼育下)  2020/8/19 19:13から4時間40分後に24時間経過 その結果は

 

あと、4時間40分で、22:58になり24時間の経過を見てきたことになります。 (上記の映像は49分前に21:58に生ミルワームを食べたのですが、物色するだけで、食べませんでした。今回の24時間の中では初めての行動でした。)

この4時間40分の記録回数は67で、平均で約4分間隔で記録されていることになります。19:13にゆでミルワーム、19:31に生ミルワームを食べ、21:58,22:44,22:53、22:57に水飲み行動が確認されました。この間に21:18分から約30分間、餌替えに私が小屋の中に入り世話をしています。この間のトウキョウトガリネズミの撮影回数は私が生存確認をするため、トウキョウトガリネズミも動くので少し多く記録されているかと思います。

これまでを振り返りますと、8月18日22:58から19日5:24の暗い間は88回、明るくなった5:54から17:30の暗くなるまでも間は37回、17:30から22:58までの暗い間が67回記録されていました。明らかに夜間に活動が頻繁になり、日中の活動量は減るということが判ります。あくまでも単純平均ですが、暗い時は約4分間隔で記録されていますが、日中は19分間隔で記録されており、明らかに日中の活動量が低下することが判ります。

今回は、日中の映像が今回撮影条件が悪く、はっきり判別できない映像が多かったのですが、今回の結果からは採餌回数は24時間で10回ですので、144分に一度記録されていました。今回の記録上は、8時間餌入れから餌を取っていない食べていないことが判りました。食べ残した餌を食べていた可能性もありますが、その量はそんなに多くはありません。

今回の状況から言えるのは、日中の活動量は夜間と比較して約1/5に減少し、採餌回数は平均すると約2時間半ですが、8時間近く食べていなかもしれない可能性もあるということです。もちろん、自動撮影装置がすべてを記録している訳ではありません。タイムラグで採餌している部分だけ映っていないとか、メディアに記録している間は、次の撮影ができないということが何回かあったと考えられますが、その方が圧倒的に多いとは考えにくいですので、夜間に活動が活発になり、活動が低下する日中の採餌間隔は夜間より長くなるということが判ります。

 

 

トウキョウトガリネズミの夜の活動(飼育下)  2020/8/19 5:54~19:13の13時間で2回しか食べてない?

5:30頃から小屋の中も明るくなってきました。明るさが中途半端ですので、記録されている映像は見にくく、どのような行動を取ったのかは判断しにいく状態にありますが、今回ブログで書き始めた8月18日22:58から19日の5:24の約6時間30分間で記録されていた回数は88、それに対して、明るくなった5:54からナイトモードになった17:37の約12時間40分に記録されていたのは39回しかありませんでした。

ナイトモードで撮影されていない間(日中)で餌を食べていた記録は7:59に生ミルワームを、水を飲んでいたのは7:09だけで、あとの37回は草に登ったり、周辺を動きまわったりしている映像のみでした。あとは、朝方入れた発泡スチロールのケースの出入りしか映っていませんでした。この発泡スチロールのケースには保冷材が入れてあり、トキョウトガリネズミを暑さから守るためのものです。

水入れからは飲んだの1回ですが、発泡スチロールのケースに入れた保冷材が結露するため、保冷材や発泡スチロールのケース内で水分を取ることはできますので、水入れから水を飲む行動が撮影されていなくても不思議ではありません。しかし採餌に関しては、記録上は8時間餌入れから餌を取っていません。以前に餌入れから持ち出したミルワームの残骸も撮影範囲外に残されている可能性もあるのですが、明らかに餌を取ることについては、明るくなったら、暗い時よりも低調になることだけは明らかです。

特に、記録回数が活動状況を反映していると仮定しますと、暗い時の行動の方が約4倍活発で動いていることが判ります。また、単純に記録回数で比較しますと夜は約4.5分に一回記録されますが、明るいときは約19分に1回記録される割合になり、いずれにしても、夜の活動は昼間の活動より遙かに多く、約4.5倍になっているように見えます。