哺乳類の歯(歯式について)
哺乳類の歯は、その機能によって切歯・犬歯・臼歯に区別できる。歯がはえる場所によって、歯の形とはたらきが異なっていることが哺乳類の特徴である。魚類や爬虫類などは、単純な同じ形の歯がずらりとならんでいるのが普通。哺乳類にも例外があって、イルカやマッコウクジラなど歯鯨類の場合は、同じような円錐形の歯がたくさん並んでいる。
切歯や臼歯などの歯の数は、哺乳類の種類ごとにほぼ決まっている。よって、歯の数とその種類(切歯・臼歯など)の関係は、種の同定するための決めての一つとして重要な要素になる。種類によって標準的な歯の数を表したものを歯式と言う。
切歯(incisor)は 門歯とよばれることもありますが、「I」と記号で示され、かみ切るのが役割。
犬歯(canine)は「C」という記号で示され、引き裂くのが役割。
臼歯は、犬歯より遠心(のどの方)にある歯のことで頬歯(cheel tooth, buccal tooht)ともいい、臼歯のうちで近心(切歯側の方)と遠心側の方で歯の形態が異なる場合、近心の歯を小臼歯または前臼歯(premolar)、遠心の歯を大臼歯または後臼歯(molar)とよび、それぞれ「P」と「M」の記号で示す。何れもすりつぶすのが役割。
たとえば、イヌの場合の歯式は、I2/2C1/1P2/2M3/3=32となり、I・C・P・Mは、それぞれ切歯・犬歯・前臼歯(小臼歯)・後臼歯(大臼歯)を表し、分子は上顎を分母は下顎の数の半分を表す。(歯式の2/2は入力上「/」になっているが、通常は「ー」で、この線の上下に数字を書きます。)これらの歯式は通常特に注釈がなければ永久歯での数を表している。