野外で見つけた死体を詳しく調べるには、持ち帰るのが一番です。しかし、持ち帰って標本を保管したり、解剖したりできる研究室や研究機関などに所属していなけば、普通はとても困難です。
したがって、写真を撮るということになりますが、哺乳類を同定するには、全体や四肢なのどの大きさが判ることが必要だとお伝えしてきました。
でも、そのような死体に出会うことは、そのほとんどが突然です。そのためには、普段からの準備が必要です。今日はその持ち物について紹介したいと思います。
普段携帯するものは、最低限物差しと使い捨てのゴム手袋です。物差しは、1mの折り尺、2~3m程度のコンベック、30cmのステンレス直定規のいずれかをおすすめします。
複数の物差しを持って行くのは、調査でも行うつもりでないと無理があります。そこで一つと言われたら、黄色い折り尺をおすすめします。L字形にして置くと縦横の大きさが判るように写真に写し込めるからです。しかし、体が小さいトガリネズミなら、30cmのステンレス定規の方が最小メモリ単位が0.5mmで材質状表示誤差も少ないですので、現場で小さいものをできるだけ正確に計る場合には一番です。コンベックは、持ち運びは一番楽ですし、大きな物を対象とするときは特に便利です。いずれの物差しにも、計測できる長さには大小がありますが、短いと全体像がわかりにくいですし、必要以上に長いと持ち運びが面倒なので携帯しようとしなくなりますので、忍ばせておくバックやポケットの大きさと相談してください。
なお、使いすてのゴム手は、もし死体に触る必要があった場合に備えるためです。素手で死体を触ることは、病原菌などに感染する恐れがあるので、絶対にしなでください。現場ではどうしても触る必要がという状況になることが多いので使い捨てのゴム手袋は必要です。