トウキョウトガリネズミの行動を観察すると、そのヒントがいくつかあります。
トウキョウトガリネズミは、捕獲して新しい飼育ケースに入れると必ず隅々まで確認します。その時、鼻を動かし、くんくんと匂いを嗅ぐような仕草と口周りのひげで触れて確認しているように見えます。そして、ケース内を何度も隈なく探索したあと、一定時間が経つと納得したのか、そのケース内で居心地の良い場所でじっとします。最初は脱出しよういているだけかもしれませんが、とにかく、今入れられた場所の空間把握をするために、行けるところはすべて行くという感じで、ケース内を探索します。
その際に、それ以上高いところに行けない場合は、昨日掲載したような立ち上がって空間の匂いを嗅ぐような行動を見せます。その際にゆっくりと指をだしても、すぐには逃げることもなく、触れられるような距離になると匂いを嗅いで、時には直接鼻先で触ってみて、ほとんどの個体は瞬時に体を引き、移動します。中には、何度か触れるような行動をして、少しずつ前進と後退を繰り返しながら指に乗ってくる個体もいます。(手の平でも同じです)
しかしこれら一連の行動には、例えばキツネが人間と遭遇するとこちらの動きを把握するために、こちらを見つめるという行動が見られますが、それが見られないのです。