まだまだ映像はあるのですが、長くなってきたので一端整理しますと、トウキョウトガリネズミは、基本的に視力は非常に弱く、嗅覚、触覚、聴覚(振動・音)で主に判断していると推察できます。したがって、人間を我々が考えているような人間という形はで認識していないと考えられます。したがって、Aさん、Bさんと区別をして、人間の姿を認識した上で馴れるということも考えられません。
手乗りになる個体は、手の匂い、表面温度や触感などで判断しているものと考えられます。いきなり指や手を目の前に出しますと、動きにびっくりするのか、一端引きますが、すぐに鼻を動かしながら、鼻先か、口周りのひげで触り、前に進むか退くかを決めます。私は、その時に何回か噛まれたり、噛まれそうになったりしたこともあります。私は普段から手乗りに個体にしようとは考えていませんでしたので、これまで飼育してきたすべての個体で確認した訳ではありませんが、手乗りになる個体は全体の10%にも満たないという印象です。
以上のことから、トウキョウトガリネズミは主に嗅覚、触覚、聴覚(振動・音)を使用して、物を認識しており、視力は補助的なレベルにしか使用していないと考えられます。よって、人間の全体の姿を認識しているわけではなく、人に馴れて手に乗っているのではなく、手の感触や匂いなどを気に入った(興味をもった?)個体だけが手乗りになると考えられます。