これまでの動画の行動で、作られる巣の形が上記の写真のようになります。実際の大きさは、そこにある草の量と密度に左右されます。
写真のような大きさは、比較的標準的な大きさになります。大きさは、巣を作った場所の草の厚み、密度(草の絡み具合)や量の影響をかなり受けますが、草の量が少なく、草の密度も高くないとスカスカの長径5cm弱、高さ3cm弱の巣を作ることもあります。この場合は、巣として編みこんでいない草を除きますと、中が見えてしまうような骨格だけ見たいな巣になります。また、草の厚みがあるところでは、写真のように長径7cm程度、高さ5cm程度のしっかりした巣を作ります。
草の厚みや量がいかにあっても、明らかにトウキョウトガリネズミが自身で巣を丸くするために引き込んだ草とそうで無い草との違いは明らかにわかります。
今日は。小型哺乳類の営巣に興味を持っているアマチュアです。トガリネズミの仲間が営巣する際、巣材が長すぎたりすると、途中で噛み切ったりもするのでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
長い巣材を噛みきるのかというご質問ですが、これまでの飼育環境下では、噛み切っているところを観察していません。トウキョウトガリネズミでは、長い巣材(牧草)を体をねじったりして、編み込んでいる行動しか確認していません。ただ、植物を囓ったりすることはありますので、噛みきることはあると思います。
また、トウキョウトガリネズミも含め、トガリネズミは必ずボール状の巣だけを作るわけではなく、巣箱内では皿状の巣を作っている場合もあります。その際も草を引き込んで居るのは確認していますが、噛みきりながら引き込んでいる状況は観察されていません。
巣材としているのが、柔らかい牧草なので噛みきる必要がないのかもしれません。また、多くは草の中で行われるため、十分に観察できないからということも考えられます。
以上ような状況ですので、「噛み切っている可能性はありますが、現状では確認していません」というご回答になります。今後、巣材の材料を変えるなども試み、巣材を噛みきりながら巣を作成しないかを注意深く観察してみることにします。
確認できたら、HPで紹介します。
ご指摘ありがとうございます。(河原)
突然の思いつきに詳しくご回答いただき、ありがとうございました。地表部にイネ科枯れ草のリター層がない場所では、トガリネズミはどのような巣をつくるのかと気になっていました。